ミズイロオナガシジミの羽化

5月25日、愛知県豊川市
今年は蝶の季節の進行が速いようで、どうも私の方が追い付いていない気がします。
例年この季節に発生し始めるのが、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ミドリシジミといったゼフィルスの仲間です。
という訳で、これらを目当てに市内の公園を訪れました。

到着したのは例によって早朝・・
ポイントを見て回ったのですが、思いのほか風が強く、お目当てのゼフィルスの仲間はなかなか見つかりません。

樹液を出しているクヌギを見て回ると、最初アカタテハが来ていたのですが、その個体はすぐに飛んで行ってしまいました。
少し離れた場所でしばらく様子を見ていると、黒い蝶が飛んで来て私の体にまとわりつきました。
ルリタテハかと思ったら、今季初見のヒオドシチョウでした。

一度近づいてしまうとこちらの存在を気にしなくなるので、超広角でも撮影。
体が温まると、クヌギの幹に陣取って樹液を吸い始めました。

林道わきのハルジオンにモンシロチョウが来ていました。
モンキアゲハやカラスアゲハがまだ生き残っていて、水が染み出した路上で時おり吸水していました。
近くの水溜まりでテングチョウが吸水していたのですが、トノサマガエルが飛びついて食べられてしまう場面を目撃し、仰天しました。
(写真には直後の姿しか撮れず)

別の場所に転戦しようかと考え始めた頃、道路脇のササに羽化直後のミズイロオナガシジミがいるのを見つけ、狂喜しました。
以前このフィールドで羽化直後の個体を撮影して以来、同じ場面を撮ろうと探し続けて、ちょうど10年目のことでした。
10年前は翅を伸ばし始めたところでしたが、今回は既に伸び切っているところでした。

羽化する時間帯・前後の天候・周囲の状況が前回と共通だったので、今回の観察には意味がありました。
この個体は10分ほどで草地の中に飛んで行きました。

他のゼフィルスがなかなか見つからなかったのですが、帰り際にクヌギの高い場所でようやくウラナミアカシジミが見つかりました。
しかし、位置が悪いのと風が強くて、証拠写真を撮るのが精一杯でした。
アカシジミやミドリシジミは気配なし。

11時過ぎに撤収。

天候:晴れ時々曇り
本日見られた蝶類:モンキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、キチョウ(キタキチョウ)、テングチョウ、アカタテハ、ヒオドシチョウ、コミスジ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、トラフシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ルリシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、DG9㎜、GX45-175㎜、G100-300㎜、Nikon 8×20 HGL

引き続きウラゴマダラシジミ

5月18日、豊橋市葦毛湿原
この日は午前中に時間を作って葦毛湿原を訪れました。
お目当ては、先週あまり撮れなかったウラゴマダラシジミと、そろそろ発生していると思われるアカシジミです。
早起きして7時前に現地到着。

ヒメジャノメ初見。
もっと早くから発生しているはずなのですが、この日が初見日となりました。

イボタの花はまだ咲き残っていて、アサマイチモンジやモンキアゲハ、アオスジアゲハなどがやって来ました。
ウラゴマダラシジミは数が少ないかと思いきや、食樹の周りに日が射し込むようになると出て来ました。

アカボシゴマダラのメスが産卵場所を探して飛んでいました。
産卵するところも撮影したのですが、ごちゃごちゃした場所でうまく撮れず。

お目当てのアカシジミは、同好の士が見つけてくれたのですが、残念な事に翅が破損していたので写真は割愛。
他に、藪漕ぎしている人に驚いて飛んで行く個体も目撃したのですが、撮影は出来ず。

ウラゴマダラシジミは個体数が増えて、撮影チャンスがそれなりにありました。
これはイボタノキの枝先にいた個体。

林道わきのイボタノキもチェックしたのですが、そちらではウラゴマダラは見つからず。
ウラゴマダラシジミは延べ5、6回見られましたが、翅の傷み具合などから少なくとも4頭いるようでした。

例によって11時前に撤収です。

天候:晴れ
本日見られた蝶類:アオスジアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ、アサマイチモンジ、コミスジ、サトキマダラヒカゲ、ヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ウラゴマダラシジミ、アカシジミ、ダイミョウセセリ、イチモンジセセリ
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、G12-60㎜、GX45-175㎜、G100-300㎜、Nikon 8×20 HGL

ウラゴマダラシジミの出現

5月11日、愛知県 豊川市、豊橋市 葦毛湿原
早朝から車で家を出て、地元の公園の様子を見に行きました。
エノキの幼木ではアカボシゴマダラの蛹の抜け殻が目立ち、1本の木で3つ見つかった場所もありました。
7時ごろクヌギ林を見に行くと、早くもサトキマダラヒカゲが来ていましたが、スズメバチに追われて飛んで行ってしまいました。

しばらく別の場所を見に行き、戻ってみるとヒカゲチョウの美しいメスが来ていました。
モンキアゲハがミカンの花にやって来ました。

公園内のイボタノキは花を咲かせ始めていたのですが、ウラゴマダラシジミは見当たらず。
かつてこの公園に近接する地域で発生した事があるので、ここを訪れるたびに気をつけてはいるのですが、幼虫や蛹も見つけられませんでした。
ならばという訳で、思い切って葦毛湿原まで行ってみる事にしました。
複数のフィールドを半日で回る事はあまりしないのですが、次の休みの予定が立てられない状況なので・・

車を飛ばして9時半ごろ到着。
イボタノキの前で同好の士とお会いしたのですが、挨拶したと思ったら「あっ、ウラゴマダラ」と言うので見てみると、ウラゴマダラシジミがいました。
できれば自分で見つけたかったところですが、お礼を言って喜んで撮影。

モンキアゲハが数頭やって来ましたが、かなり傷んでいました。
アカボシゴマダラが飛んで来ましたが、ゆるやかに舞う姿は、一瞬アサギマダラかと思いました。
っていうか、本種はアサギマダラに擬態しているんじゃないかと思います。
地表で吸水場所を探していましたが、すぐに飛んで行ってしまいました。

昼食に間に合うよう、慌ただしく11時前に撤収!

天候:晴れ時々曇り
本日見られた蝶類:アオスジアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、アカボシゴマダラ、アサマイチモンジ、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ウラゴマダラシジミ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、G12-60㎜、GX45-175㎜、Nikon 8×20 HGL

アザミとウスバアゲハ

5月5日、愛知県新城市
この日は毎年通っているフィールドへ、ウスバアゲハを撮りに出かけました。
今年は季節の進みが早いので、そろそろ発生の末期になるのではないかと思いましたが、生息地の様子を確認したかったのです。

JR飯田線の各駅停車に揺られること1時間、湯谷温泉駅に到着です。
駅近くの生息地ではかろうじて1,2頭のウスバアゲハが舞っていましたが、かつては温泉街を歩いているとぶつかるくらい沢山飛んで来たのが嘘の様でした。
宇連川の上流に向かって2駅歩くことにしましたが、全く見られなくなった区域もありました。

ウツギの花にヒメウラナミジャノメが来ていました。
ピラカンサ(?)の花にアオスジアゲハがやって来ました。
望遠でも撮ったのですが、背景が良かったので標準ズームでも撮影。

2駅の区間を歩いて、ウスバアゲハが今でも確実に生息していると思われるポイントは6つ。
かつては生息地同士の繋ぎ目が分からない程だったのですが、それぞれが分断された形です。
確認できた個体数は、合わせて20頭未満でした。
メスはいずれも交尾済みでした。

アザミの花が咲いていたので黒色系アゲハが来ないかなと思っていたら、ウスバの新鮮なオスがやって来ました。
本種がアザミに来るところは初めて見たので、狂喜して撮影。
風に煽られて何度か飛び立ちましたが、すぐに戻って来ました。

帰りの電車まで時間があったので、来た道をまた戻る事にしましたが、相当疲れました。
聞いたことのある綺麗な鳥の声がすると思ったら、声の主はイソヒヨドリで、こんな内陸部まで進出していると驚きました。

15時前の電車で撤収!

天候:晴れ
本日見られた蝶類:アゲハチョウ、ウスバアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、モンシロチョウ、キチョウ(キタキチョウ)、モンキチョウ、テングチョウ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ダイミョウセセリ
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、G12-60㎜、GX45-175㎜、Nikon 8×20 HGL

奥三河のウスバアゲハ(ウスバシロチョウ)

5月3日、愛知県新城市
さて、ゴールデンウィークの後半4連休が始まりました。

今から30~20年ほど前、かつて愛知県では湯谷駅付近にしかいないと言われていたウスバアゲハ(ウスバシロチョウ)の生息地を求め、地図を片手に各地を回り新しい生息地を探し求めた事がありました。
当時はこの地域に耕作放棄地が目立つようになった頃で、食草が大繁殖して、ウスバアゲハも一気に数を増やした時期でした。
その後、宅地化や太陽光発電の設置、植性の変化などにより、生息地や個体数は明らかに減少局面に入っています。
ということで今のうちに、これまで訪れようと思って後回しになっていた地域を訪れてみる事にしました。

電車とバスを乗り継いだのですが、駅を降りた所でもウスバアゲハが飛んでいて、ここはまだ健在だったかと喜びました。
バスに乗り換えて9時前に現地に到着。

民家の庭先の芝桜に、カラスアゲハのメスが来ていました。
古刹の境内にあるツツジにオスもやって来ました。
この地域限定の「ホソバシャクナゲ」も咲いていたのですが、蝶たちはそちらには目もくれず、野生や植栽のツツジを訪れていました。

ウスバアゲハは道中何度か見かけたのですが、数は多くなく、同時に見られるのは1,2頭でした。
私が探した限りでは、食草が大量に生えているような場所は見つかりませんでした。
既に他の草木に覆われて茂みのようになった梅林が目立ち、やはりもっと昔に訪れるべきでした。

それでも、道路わきの斜面で数頭の個体が滑空している場所が見つかりました。
車の往来があったのですが、斜面を登る脇道にいくらか花が咲いていて、格好の撮影場所になっていました。

13時ごろ現場を後にしましたが、バス停に向かう途中、梅林の下草で吸蜜している個体を見つけました。
梅林に入らないようにして、手を伸ばして撮影。

思ったよりも数が少なかったですが、これで長年の宿題が一つ片付き、満足して帰路につきました。

天候:晴れ
本日見られた蝶類:アゲハチョウ、ウスバアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ、モンシロチョウ、キチョウ(キタキチョウ)、モンキチョウ、テングチョウ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、ダイミョウセセリ
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、DG9㎜、G12-60㎜、GX45-175㎜、Nikon 8×20 HGL