皆既月食中の星食

2025年9月8日、愛知県豊川市

9月7日の夜(8日の未明)、皆既月食が見られました。
今回は皆既となる時間が1時間半と長く、その間に星食も見られるという事で、撮影に挑戦しました。

前日の7日夜、カメラ2台をベランダ脇にセットして、10時ごろ就寝・・
うとうとして目を覚まし、まだ早いかな?と思ったら、月食直前の1:10でした!
あわてて飛び起き、カメラを外に出して撮影開始です。

月食の進行の様子は10分おきに撮影する事にし、星食は連続写真に収める事にしました。
さらに、星食の瞬間(潜入と出現)は双眼鏡でも確認。
(その瞬間を見れて感激しました。)

星食の連続写真は、パソコン上で比較明合成しています。
手動で合成位置を合わせたので、星の動きがたどたどしいです。
2枚目の写真は「みずがめ座 82番星」の潜入と出現。
3枚目の写真は「みずがめ座 81番星」の出現の様子です。

広角レンズでの連続写真は、途中で露出を確認するためにタイマーを切ったのですが、再開する時間を間違えてしまい、一部間隔がおかしくなってしまいました。
これは次回への反省点ですね・・

天候:晴れ
機材:機材:Panasonic GH5Ⅱ、G9PRO2、フォクトレンダー10.5㎜、G100-300㎜、GITZO GT1544T、GITZO G226、Kenko SKYMEMO-S

やぎ座流星群と火球カレンダー

7月28日-8月2日、愛知県豊川市

今年は天候不良やら用事やらで、あまり流星群の撮影が出来ていませんでしたが、ようやくチャンスが巡って来ました。
「串だんご」と言われる特異な光度変化を起こすことで知られる「やぎ座流星群」です。
まずは7月28日の夜からカメラをセットし、外部電源(通称:ダミープラグ)を突っ込んで一晩中駆動しました。

朝起きてから画像をチェックすると、29日の未明に火球クラスの群流星が写っていました。
・・が、よく見ると微妙にピンボケです。
ピントリングは半永久的にテープで固定しているのですが、事前に確認しなかったのがいけなかったようです。
どうやら使用しているレンズ(フォクトレンダー10.5㎜)の特性として、真夏と真冬では無限遠の位置が微妙にずれるようです。

気を取り直して翌日からは慎重にピント位置を探ってテープで固定。
数日空振りが続きましたが、8月3日に日付が変わった頃、串だんごの様な火球が写りました。
時刻は0:23。

実は今シーズンが始まる前、「火球カレンダー」なるものを作ってみたのですよ。
定期購入している「天文年鑑」という本に、毎年国内で観測された火球のデータが載っているので、2017年7月から2023年6月の火球の平均個数を円グラフにまとめました。
見方ですが、1時方向が1月1日、時計回りに日付が進んで、6時方向が6月31日となります。1周すると1年というわけ。
目盛は対数目盛(0、1、10、100)であることに注意。

これを見ると火球が多いのは、言うまでもなく三大流星群のうち、12月の「ふたご座群」、8月の「ペルセウス群」です。
1月の「しぶんぎ座群」は年によるばらつきが大きいので、平均数は多くありません。
ここまではよく知られたところです。
意外なのは、中堅クラスと言われる5月の「みずがめ座群」と10月の「オリオン座群」で、4月の「こと座群」、7月の「やぎ座群」、11月の「おうし座群」などを下回ります。
さらに子細に見ると、主要な流星群のピークから外れた期間(8月初旬や11月末)もそれなりに火球が多いことが分かります。

知っているつもりでも、あらためてまとめてみると新しい発見があるという事を再認識した次第。

天候:晴れ時々曇り
機材:機材:Panasonic GH5Ⅱ、フォクトレンダー10.5㎜、GITZO GT1544T

しぶんぎ座流星群

1月3日~4日、愛知県豊川市
数ある流星群の中でも、なかなか思うような観察/撮影結果が得られていない対象が「しぶんぎ座流星群」です。
三大流星群の一つに数えられながらも、発生のピークとなる時間が短く、おまけに年ごとの発生数にばらつきがある難物です。
個人的に、これまで大出現というものに出くわしたことがありません。

今年は4日の0時が発生のピークと予想され、月もなく、条件としてはまずまず良好でした。

天気予報を確認すると、3日の夜はやや雲が多くなる模様・・。
出発すると、車のフロントガラスに小雨が落ちて来ました。
しかし、23時過ぎにいつものフィールドに到着してみると快晴で、星々がぎらぎら輝き恐ろしいほどでした。
最初の写真は0:03に流れた、しぶんぎ座群の長経路流星。
かなり暗いのと、雲にかかったのが残念。

その後、1:15ごろから2:45くらいまではほぼ快晴の時間帯となり、しぶんぎ座群の流星5つを目撃。
2枚目は1:05に流れた、マイナス等級の散在流星。
結果的にこれがこの日見られた最も明るい流星でした。

ところが3時ごろからは全天が雲に覆われ、またしても消化不良な結果となりました。
5時過ぎまで待機して撤収。
帰ってから写真を確認すると、撮影できたのは、しぶんぎ座群3つと、散在流星4つでした。

天候:晴れのち曇り
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G9PROⅡ、DG9㎜、フォクトレンダー10.5㎜、Nikon D5600、DX Fisheye 10.5㎜、MICRON 6×15、Gittzo GT1544T、G226

ふたご座流星群と、満月級の火球

12月14日、愛知県豊川市
2024年の「ふたご座流星群」の極大時刻は、12月14日の10時ごろと予想されていました。
従って、一番流星の多く見られるのは13日の夜(14日の未明)なのですが、当日はあいにくの曇りでした。
晴れる事を願い、自宅のベランダでカメラのタイマーを仕掛けて狙ったのですが、晴れ間はあったものの暗い流星が5つ写っただけ。
諦め切れない私は、14日の夜、郊外へと出かけました。

18時半ごろ現場に到着し、カメラのタイマーをスタート。
実際に流星が見られるのはもう少し遅い時間と予想し、車の中で仮眠を取ることにしました。
20時過ぎ、そろそろかなと思って寝袋から出ようとしたところ、一瞬車内に青白い閃光が走って自分の影が出来、眠気が吹っ飛びました。

 「!」

今のは間違いなく火球の光だと思い、あとで画像を確認すると、20:22に、今まで見た事の無いような明るい火球が写っていました。
いわゆる「満月級」の大物だったと思われます。
う~ん、実物を目にしたかった・・
ネットで調べると、軌道計算の結果から「おうし座流星群」に属する火球だったようです。
明るかった割に、次のコマ以降に「痕」は写っていませんでした。

それ以降も火球クラスの流星を2つ目撃したのですが、1つはカメラのシャッターの合間となって途中で途切れてしまい、もう1つは画面の外でした。
しかし10個ほどの流星を目撃出来て、不調だった今年の流星シーズンの締めくくりとなりました。
(一応、年末に「こぐま座流星群」というのがありますが。)

翌日家の用事があるので、夜半前に雲が広がってきたタイミングで撤収。
次は1月の「しぶんぎ座流星群」が好条件なので期待したいところです。

天候:晴れのち曇り
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、フォクトレンダー10.5mm、Nikon D5600、DX Fisheye 10.5㎜、Gitzo GT1544T、G226

おうし座流星群

11月12日~22日、愛知県豊川市(自宅)
今年も「おうし座流星群」の撮影に挑戦しました。
6日の夜から何夜か撮影したのですが全く写らず、12日の夜も半ばあきらめモードでカメラのタイマーをセットしました。

夜中に一度起き出して15分ほど空を眺めたのですが、流星は流れません。
あきらめて寝床に戻り、翌日画像を確認すると、3:45に火球クラスの流星が写っていました。
残念ながら末端部がカメラのシャッターの合間になって、尻切れトンボになっていました。
しかし4:39にも再び明るい流星が写っていました。
これらは「北群」に属するもののようです。

この2つの流星を含めた1時間弱の画像を比較明合成してみました。
よく見ると、「しし座流星群」と思われる暗い流星も一緒に写っていました。

18日や20日の夜にも挑戦してみたのですが、何も写らず・・
かろうじて21日の夜になって、オリオン座の西に「しし座流星群」と思われる流星が一つ写っただけ。
個人的に今年の流星群は低調です。

天候:晴れ、晴れ時々曇り
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、フォクトレンダー10.5mm、Gitzo GT1544T

柴金山・アトラス彗星

10月13日、愛知県豊川市
以前から話題となっていた柴金山・アトラス彗星は、10月初旬は夜明け前、12日以降は日暮れ後に見られる予報でした。
当初10月1日前後に見に行くつもりだったのですが、当日大事な仕事があって自粛。
満を持して、天候の良かった13日の宵に見に行く事にしました。

豊川市内で西の空が開けた場所という事で、三河湾に面した堤防にやって来ました。
ここはかつて「クマソ・クエスト」で訪れた事があるのです。
到着してみると、こんな時間に釣りをしているみなさんがいたので、少し移動。

17:30ごろから構図や露出を確認しながら試し撮りしていたところ、17:50ごろそれらしきものが写って、ひとりで喜びました。
次第に空が暗くなるにつれ、双眼鏡ではっきり見えるようになり、一番明るい時には肉眼でもうっすらと尾を引く様子が確認出来ました。
せいぜい3,4等星にしかならないという予想もあったのですが、実際にはもっと明るく、恐らく2等星前後だったろうと思います。
写真の手前に写っているのは、三河湾の大島と小島。

さらに時間が経つと、低い位置の靄(もや)に隠れるようになり、やがて見えなくなりました。
写真右の明かりはラグナシアの遊園地、山の上の明かりは三ヶ根山のホテルです。

個人的に、尾を引く彗星を肉眼で見たのはこれが初めてで、大満足して帰路につきました。

天候:晴れ
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、G12-60㎜、GX45-175㎜、Nikon MONARCH 8×30、Gitzo GT1544T

先手必勝(?)のペルセウス座流星群

8月11日、12日、愛知県豊川市

ここ数年悪天候に祟られている「ペルセウス座流星群」ですが、今年後半の他の流星群は条件が悪く、何としても撮影したいという事で作戦を考えました。
と言っても出来る事は限られており、極大日に拘らず「行ける時に行く」しかありません。
各種の週間天気予報を見て、極大日の12日の夜は雲が広がり易いと予測し、11日の夜に郊外にプチ遠征する事にしました。
そういう訳で、早めの夕食を取り、車に機材を乗せていつものポイントへ。

到着してみると空は殆ど雲に覆われていましたが、慌てず騒がず準備を進めました。
この季節、ここ東三河地方は夜になるとなぜか南東側から低い雲が流れてくることが多いのです。
これは恐らく浜名湖経由の水蒸気が関係していると思うのですが、実のところどうなのでしょうか。

車の中で仮眠を取り、23時過ぎに起き出してみると雲は殆ど無くなっていました。
最初の流星は23:31に確認。
ここから1時間で8個の流星を数えました。

夜が更けると透明度も上がって来たので、せっかくなので赤道儀で追尾撮影をしてみました。
撮影した写真9枚を「比較明合成」しました。

火球クラスの流星が2:59に流れ、10秒以上「痕」が残りました。
この日は「痕」を観察するために大きめの双眼鏡を持って来て膝の上に乗せ、いつでも見れるようにしていました。
その甲斐あって、チューブ状の痕が風に流れていく様子を数回観察出来ました。

最後の流星を確認できた時刻は4:08。
合計30個以上見られたでしょうか。
写真に写っていたのもほぼ同数でした。

次の夜はさすがに2日連続で出かける気にはなれず、自宅のベランダに魚眼レンズ付きのカメラをセットし寝床につきました。
時々起き出して合計1時間以上空を眺めていましたが、目撃できたのは僅かに2つだけ。

写真に写っていたのは計9つで、火球クラスのものは無し。
極大日の活動としては、例年と比較してかなり低調だったのではないでしょうか。
状況によっては13日の夜も出かけるつもりだったのですが、パスすることにしました。

天候:曇りのち晴れ(11-12日)、晴れ(12-13日)
機材:Nikon D610、DX fisheye10.5㎜、Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、G99D、DG9㎜、フォクトレンダー10.5mm、Nikon MONARCH 8×30、Gitzo GT1544T、G226,Kenko SKYMEMO-S

みずがめ座δ流星群とやぎ座流星群

7月30日~8月2日、愛知県豊川市 自宅
今年の流星群の撮影は、ここまで連敗でした。
1月の「しぶんぎ座群」は天候不良+翌日の突発出現を撮り逃し。
4月の「こと座群」は月明りで不戦敗。
5月の「みずがめ座η群」は何も写らず。

・・ということで、8月のペルセ群に向けて、新しい機材のチェックも兼ねて、「やぎ座流星群」の撮影に挑みました。

7月30日の夜から4晩連続で挑戦したのですが、元々の流星の数が少ないこともあって、あまり成果なし。
しかし、7月31日の夜(8月1日)、みずがめ座δ群の火球クラスの流星が写せました。
画面の左下から右上に向かって流れています。
時刻は0:35。
あと、画面中央やや右に「点」が写っているのが分かるでしょうか?
これは「やぎ座群」の輻射点に出現した静止流星です。
時刻は0:33。
真っ直ぐこちらに飛んで来た流星が「点」に写るという訳。

以前、「しぶんぎ座群」でも静止流星が写ったことがありましたが、レアなのでちょっとうれしいです。
・・と言っても、学術的にはあまり意味はありませんが。

天候:晴れ、晴れ時々曇り
機材:Panasonic LUMIX GH5Ⅱ、フォクトレンダー 10.5mm、GITZO GT1544T

エナガの食事と、しぶんぎ座流星群

1月3日、4日、愛知県豊川市
・・波乱の2024年がやって来ました。
年明け早々天災や大事故で大変な世の中ですが、私はマイペースで自然観察を続けます。
3日の夜に「しぶんぎ座流星群」を撮る予定なので、昼間は大人しくしているつもりだったのですが、天気予報が良くないのでそちらは1日ずらすことにしました。
せっかくの休みなので、3日は代わりに野鳥の撮影に出かけました。

この日のお目当ては、「エナガちゃん」。
いつものポイントで待ち伏せ撮影です。
私には彼らの雌雄が見分けられないのですが、これは「見返り美人」ということにしておきましょう。

カエデの枝で虫を捕らえました。
私がいくら見ても虫などいないように見えるのですが、よく見つけるものだと感心。

桜の枝でカイガラムシを食べる様子も、初めて観察出来ました。
なるほど、図鑑に書いてあるとおりでした。(当たり前か)

嘴を大きく開け、カイガラムシを齧り取って食べていました。
彼らは毎日同じ木々を巡って行くので、ここにはそれだけ多くの食べ物があるという事でしょう。

正月三箇日なので人出は少ないかと思いきや、歩いている人が多くて驚きました。
あと、超望遠レンズつきのカメラを持っている人を5人も見かけましたが、見た限りでは誰も双眼鏡を持っていませんでした。
いつも不思議なのですが、あれだと偶然出合った鳥を撮るしかないと思うのですが、なぜ双眼鏡を使わないのかな??
使わないと野鳥の生態も確認しづらいし、あまり鳴かない種類は見つけるのにも苦労すると思うのですが・・

この日も早めに撤収。

・・・・

4日の夜は(翌日から仕事なので)自宅のベランダで「しぶんぎ座流星群」の撮影にチャレンジしました。
これは散在流星で、画面左から右に向かって流れましたが、変わった光度変化をしています。
普通は経路の後半で明るくなるものなのですが、前半で増光しています。

夜半過ぎに月が昇って来ましたが、月に向かって明るい散在流星が流れました。
しぶんぎ座群は僅か1つだけ写りましたが、暗くて分かり難かったので割愛。
来年のしぶんぎ座群は条件が良いようなので、今度こそ大出現を見てみたいものです。

天候:曇り、晴れ時々曇り
本日見られた鳥類:ハシブトガラス、キジバト、ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、メジロ、アオジ、シジュウカラ、ジョウビタキ、ミコアイサ、キンクロハジロ、アオサギ
機材:Nikon 1 V2、PD10-30mm、Panasonic GH5Ⅱ、DG9㎜、G100-300㎜、Nikon 8×20 HGL、GITZO GT1544T